それはさる2017年末・・・
森のクマはお賃金をいただいていた会社と決別したックマ。
ここは森のゲーム開発室・・・
都心の真ん中にありながら、社会から忘れられた伝説の森・・・
(サスペンスシーン)
OL(森の会計士)「うぅっ・・・これでもう週末のパフェもお預けね・・・節制しないと・・・」
OL「会社辞めちゃってこれからどうやって食べていくのよ!!収入がなくなったら人もクマも生きていけないのよ!!?」
森クマ「うぅっ・・・クマは・・・クマは・・・」
森クマ「ゲームが作りたいのおおおおお!!!!!!!」
OL「作ってたじゃない!土日はほとんどゲーム開発しかしてなかったじゃない!!通勤の時もクマの分際でグリーン車に乗って作ってたじゃない!何が不満だクマ野郎!」
森クマ『うぅっ・・・もうこのクマボディは限界なんですクマ・・・』
森クマ『月100時間を超えたこともある残業の日々・・・それも近年の残業規制により、徐々に改善されてはいったクマ。しかし仕事量がそうそう減るわけでもないっクマよ。』
(長期労働による傷は確実にクマボディに染み付いていたックマ。)
その中で、数年前に3ヶ月で頓挫したゲーム事業の再興を胸に秘め、通勤時間とお休みの日は自宅(森)でクマゲームを作りながら雌伏の時を過ごしてきたックマ。ゲームアプリの収益は月1000にも満たなかったけど、副収入、二足の草鞋と思えば悪くはなかったクマ。
しかし会社・・・Companyは、受託業務と昨今のトレンドである機械学習に全力投球クマ。かつて盛大に失敗したゲーム事業にはもう目もくれなかったクマ。
OL(そりゃそうだろうよ)
そしてある日・・・ふと思ったんですクマ。
このままこの生活を続けてたら死ぬ・・・!(肉体的にも精神的にも)
OL「いや、いったんゲーム開発のほうを中止しなさいよ。平日はお仕事に専念して休日は休む。体が良くなったらまたゲームを作ればいいじゃない」
森クマ「辞めたいんだなぁクマ」
OL「子供か!!」
森クマ「会社にはかなり早くにやめる意向をお伝えして、最低限キリのいいところで抜けられるようにちゃんと調整したックマよ!クマえらい!!」
OL「そうじゃなくて、趣味でゲームを作るのはいいから、ちゃんと継続できるように収入源を確保しとけって言ってるの!!」
森クマ『それは理解しているつもりなんですクマ。だけど二足の草鞋を無理やり履き続けることが、人間とクマを殺すこともあるクマ。』
OL「それは二足のわらじの履き方が下手なだけでしょ!!履き方を練習しろ!!」
森クマ『べげぇええええええ!!!(言葉にならない汚い奇声)』
OL「だいたい今現在が稼げてないじゃない!!月1000円じゃお話にならないわよ!今の会社をやめるのは構わないから転職しなさい転職!」
OL「会社の事業も盛大に失敗して、副業でも月1000円そこら・・・趣味なら全然いいけど、なんで安定した収益をもらえる会社を辞めてまでゲームを作ろうとするのか分からないわ・・・」
森クマ「もともと会社の新規事業検討会議で提案したモデルは、手の空いたタイミングでも作れそうなミニゲームをリリースしまくって少しずつノウハウをためつつ、月ちょびっとの収益が入ればとりあえずは嬉しい!感じの提案だったクマ。」
(昔を懐かしむ遠い目)
森クマ「その頃すでにアプリ市場はレッドオーシャンだったクマ。さらに会社はコンシューマ向けサービスの経験がない・・・。だから受けるダメージは最小限に抑えつつ、とにもかくにもストアにゲームをリリースしてユーザーの洗礼を受けながら、長い目で少しずつプロダクトを強化していくのが理想だったんですクマ。」
(こんな感じのゲームをたくさん作りましょう!って提案したときの自作ゲーム、ぎゅんぎゅんブラックホール。かわいい(現在は動かなくなったので非公開))
森クマ「だけど、会社でリソースを投じて事業としてやる以上は、どうしても一定の売り上げ見込みが必要になるックマ。そうじゃないとそもそも稟議がおりないックマよ。だから新規事業メンバーでいろいろ調べて、ギリギリの損益分岐点超えを設定し、事業としての体裁をなんとか作ったクマ。そしてそれらをつぎ込んだゲームを作り、広告をぶちかまして・・・」
OL「失敗したのね」
森クマ「無論、事業の失敗責任は大いにこのクマにあるックマよ。会社でやる以上、様々な、それはもう様々な制約こそあれど、その中でやりたいことをやらせていただき、リーダーとして成果を出せなかったのは自分のあらゆる力不足・・・中心にいた自分自身、どんなゲームを作りたいかじゃなくて、会社としてちゃんと儲けるゲームを作る、っていうビジネスの目的を飲み込みきれてなかったと今では思うんですクマ」
森クマ「ただ会社としては、ゲーム事業に邁進!って感じじゃなくて、あくまでサービスの広告実証実験みたいな体裁をとったので、責められることはなかったクマ。やさしい・・・。だけど溶かした予算は会社の皆のボーナスを減らしてしまったに違いないクマ。」
(3本目を作ったあたりで、予算が尽きた。誰にも責められなかったけど、それがまた辛さに拍車をかけるックマ)
森クマ「だからこそ、事業が失敗してからの数年間はお仕事に邁進したックマ。だけどもう・・・もういいではないかクマ。そろそろクマを許してやってほしいクマ・・・」
森クマ「これからは!!!クマが!!クマのゲームを作りたいように作りまくるのクマー!!!俺が魔王だクマー!!!!!!!」
OL「だからお金はどうするのお金は!!」
森クマ「お願いします!!」
OL「死ねぇええええ!!!!爆散しろー!!!!!!!!」
(クマのピンチに駆けつける森の妖精たち)
少女「まあまあ、いいじゃないOLさん、一旦自由にやらせてみましょうよ。(これで私が主人公のゲームを量産できるわね!)」
(※少女は予算を度外視して自分のゲームを作りたい女の子である)
マンタ「今のクマには休む期間が必要マンタ。(クマンタ2を作るチャンスマンタ)」
(※マンタはクマが空を飛んで空軍と激突するときの乗り物である)
ウツボーヌ「森のクマは何年もよく働いた。もうそろそろ自由にさせてやっていいじゃないか。クマに授けてやろうぜ、つばさを。」
(※ウツボーヌはOLの良い理解者である)
OL「外野はお黙り!!!」
OL「・・・」
OL「1年・・・」
OL「2018年を療養期間兼、貴様のゲーム開発が収入源になりえるかを判断する年にあててあげるわ。だけど年末時点で月収が目標金額に達していなかったら、その時は会社に戻りなさい。」
(やったー!!!)
OL「ただし、日中も家(森)にいる以上は、炊事洗濯お掃除をしっかりやること!料理を覚えろクマ野郎!」
森クマ「それはもう、もちろんですOLさん、シェフにお任せくださいクマ!」
そして・・・
長い1年は
紆余曲折を経つつ
あっという間に
それはもうあっという間に
光の速度で過ぎていき
春が終わって
うだるような暑さの長い夏が
秋を飲み込み冬になり
そして・・・
師走・・・12月・・・
次回「会社を辞めて1年経った話」につづックマ!!
作ったゲームはこちら!いますぐプレイ!!